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1984年4月設立、筑波大学比較・理論文学会の活動報告や告知を行ないます。

黄益九さんの研究が著作『交錯する戦争の記憶: 占領空間の文学』(春風社)になりました

 筑波大学比較・理論文学会員の黄益九さんの研究が著作『交錯する戦争の記憶: 占領空間の文学』に結実し、めでたく春風社から出版されました。皆さま、ぜひお手にとってみてください。

交錯する戦争の記憶: 占領空間の文学

交錯する戦争の記憶: 占領空間の文学

記憶は過去の事実に基づくか?
石川淳「黄金伝説」、井伏鱒二「遙拝隊長」、山川惣治「少年王者」、壺井栄二十四の瞳」など戦後占領期における作品を通し、<忘却>と<想起>に曝された戦争の記憶の構築プロセスとその諸相を検証する。
(ISBN 9784861104220)


目次より|indexes
序章
第一部 <想起>と<忘却>
第一章 石川淳「黄金伝説」論
第二章 野間宏「顔の中の赤い月」における復員兵と 戦争未亡人
第三章 井伏鱒二「遙拝隊長」と<戦後>という戦場
第四章 田宮虎彦「異端の子」における戦後ナショナリズム
第二部 <記憶>の変容
第五章 山川惣治「少年王者」の想像力
第六章 石森延男「わかれ道」が発信する美談と「故郷」
第七章 教科書『中等国語』と教材「少年の日の思い出」
第八章 壺井栄二十四の瞳」の欲望と遺産
終章 <戦後>に問いかける<記憶>


著者|author
黄 益九(ファン・イック)
1973年、韓国・盈徳生まれ。2010年、筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了。博士(文学)取得。筑波大学人文・文化学群比較文化学類非常勤講師、同大学外国語センター特任研究員を経て、現在慶南大学校非常勤講師。


※引用は版元のサイトより。

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